
USMLE経験者のための医師国家試験対策
はじめに
2020年になりました。STEP2CKとの激闘からすっかり時間も経って油断していたら第114回医師国家試験が迫ってきました。もし落ちたらと考えると軽く背筋が凍る思いがしますね。
さて今回は、日本の医師国家試験対策についてぼちぼち記していきたいと思います。USMLE STEP1(5年6月)・STEP2CK(6年4月)を終えて国試に望む筆者の体験が少しくらい皆さんの役に立つ事を祈っています。
USMLEと医師国家試験の関係〜メリットとデメリット
さてUSMLEを取得したら国試は余裕なのでしょうか?私はUSMLE取得=国試余裕合格の構図はなりたたないと思います。その理由の一つには出題範囲の違いがあります。STEP1では基礎医学からの出題が多いですが、国試では皆無です。一方で国試では公衆衛生が10%以上出現します。統計などを除いて日本の制度に合わせた独自の項目の暗記が必要なのは言うまでもありません。ただし、STEP2CKに関しては国試の臨床問題と高い類似性があるように思えます。
さらに、USMLE対策にかけた時間の分だけ同級生より国試対策の時間が少なくなるため効率のよい対策をしないと国試対策という意味では不利な状況に立たされてしまします。
医師国家試験における目標
まず、国試の唯一無二の目標は合格です。この点は点数が専攻科やマッチングに影響するため1点でも死に物狂いで取りに行くUSMLEとは大きく異なる点です。強いて言えば、合格発表までの心の平穏を保つための少し余裕のある合格が望ましいでしょう。学年順位でいうと半分以上の成績にいることができれば十分ではないでしょうか?
6年秋までの勉強
近年国試対策の若年化が進んでいますが、CBTである程度勉強した学生は焦る必要は全くないでしょう。6年秋までにやる可能性があることとしては、QBを一周すること映像授業(メジャー・マイナー)を一通り視聴することでしょう。映像授業の必要性については私も日々疑問に感じることが多いですが詳細は後述します。
メジャーに関しては基本的にUSMLEで十分に対策できてると思うので、国試は初見でも合格点をとることは容易いでしょう。
模試についても後述しますが、6年の秋までの緩い対策の時点で安全合格圏(学年半分以上)に入っていたら国試対策は終了です。本当にお疲れさまでした。セブ島にバカンスに行きましょう。
MEC vs TECOM vs medu4 VS Q assist
ポリクリが始まる段階で非常に多くの学生が頭を悩ませる映像授業です。そもそも必要性から議論があるところですが、結論からいいますとどの業者でもいいが、筆者は取ったほうがいいと思います。なぜなら何年もの分析を重ねた国試の専門家である教師が問題をとく様子から「試験のお約束」を学ぶことができる点が、自習よりすぐれていると感じるからです。ただし、あの無駄に膨大な動画視聴時間に耐えられない方は取らなくても構わないと思います。
業者ですが、筆者はDr孝志郎のビジュアルがなんとなく好きだったためMECを選択しました。他社の動画を見たことないので比較はできないですが、上記の最低限度の役割を満たしているためとくに不満はありません。国試に合格するという点からするとどうでもいいことですが、Dr孝志郎の臨床経験によるアドバイスは初期研修に役立つような気がします。
まとめると、どの業者でもどうでもいい気がします。
6年秋からの勉強
最後の仕上げとして必要なのは公衆衛生・必修対策・過去問3年分の復習でしょう。公衆衛生と必修対策はQBとレビューブックを使いました。公衆衛生は国試オリジナルの分野のため謙虚な対策が必要でしょう。
さらにMECサマライズを受講しましたが、動画が大量でやる気がなくなりかけましたがなんとか終わりそうです。役には…立ってるような気がします。
模試の利用法
筆者は第2、3、4回テコム模試と冬MEC模試を受験しました。無駄に難易度が高い模試もあり、再現性は低いのかもしれませんが、不測の事態でも常に合格し続ける練習として本番同様の気持ちで受験し続けるといいと思いました。