
なぜ?飛行機に乗ったときに耳が痛い!原因とその対処法
飛行機に乗ったときに、耳に不快感や痛みを感じたことがある人は多いと思う。今回は、その原因と対処法について考えてみた。
耳管
飛行機に乗った際に耳が痛くなったり、耳に違和感を覚える原因は、気圧の変化である。
耳の奥には”鼓膜”があり、さらにその奥に”中耳”と呼ばれる空間が広がっている。この中耳の空間と咽頭(鼻の奥)をつないでいる管が耳管である。この耳管を通して耳と鼻の換気が行われることで、外部の気圧と中耳の気圧は一定に保たれている。通常、耳管は閉じていて、ものを飲み込んだときやあくびをしたときに開くようにできている。(口を大きく開けたり、おもいっきりあくびをしたときに聞こえる”ピキッ”という音は耳管が開く音らしい。)

ここで、飛行機の離着陸時のように外部の気圧が急激に変化すると、耳管による圧力の調整が上手くいかずに、外部と中耳の間に圧力差が生じてしまう。そうすると、鼓膜が気圧差によって圧迫される。たとえば、飛行機の離陸時は、中耳の気圧よりも外部の気圧が低くなっている。すると、鼓膜は耳の外側へ押し出されるような力を受ける。(着陸時は逆に、鼓膜は耳の内側へ押し込まれるような力を受ける。)これにより、耳に痛みや違和感が生じる。
対処法
効果的だと思われる主な対処法は次の通り。
・大きく口を開けたり、あくびをする
・唾やお水を飲み込む
・あめやガムを食べる
・耳栓をする
・耳抜き法を実践してみる
大切なのは、耳管を開くということ。あくびをしたり、水を飲み込むことで痛みが治ればよいが、そうでない場合は「耳抜き法」を試してみるという手もある。(これは、ダイビングの世界ではまず最初に習うスキルの一つだという。)耳抜き法には3種類あり、
①バルサルバ法
②フレンツェル法
③トインビー法
である。
①バルサルバ法
口を閉じた状態で、鼻をつまんで息む。(空気を喉から耳へ送る感じ)こうすることで、鼻腔内の圧力が高まり、耳管が開かれて中耳へ空気が送り込まれる。
②フレンツェル法
まず、鼻をつまむ。鼻をつまんだまま、舌の奥というか根本の方を上顎に向かって持ち上げる。この動作によって、耳管が開く。
③トインビー法
鼻をつまんだまま、唾を飲み込む。こうすることで、鼻腔内の圧力が上がり、耳管が開く。