【医療とIT】生体データをメモリーカードへ~北大発ベンチャーによる実証実験~

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先日、札幌で北大発のベンチャー企業”ミルウス(miruws)”による実証実験が行われた。実験内容は、健康診断において、患者の健康データをmiParuとよばれるメモリーカードへ一括保存するというものだ。

このmiParuとよばれるメモリーカードは、ミルウスが独自に開発したもので、秘匿領域に暗号鍵や電子署名の鍵が保存される仕組みになっており、内部の個人情報を保護するとともに、データの改竄なども阻止できる仕様となっている。今回は、miParuを中心として展開される新たな健康診断のあり方というものをテーマの一つとして、実際に10人ほどの被験者を対象として、実証実験が行われた。

今回は、普段お世話になっているM先輩(この先輩がとても凄い人で、また別な記事で、M先輩についてちゃんと取り上げようと思います。)に誘われて、”お手伝いスタッフ”というかたちでこの実験に参加することになった。

 

実験概要は次の通りだった。まず、被験者の健康基本情報をはじめとして、いくつかのブースに分けて、血圧や血糖値、そして、唾液検査などの測定を行い、それを順次、miParuにデータとして保存していく。このとき、miParuは患者自身が常に携帯しており、それを持って患者が各ブースを回っていくという形だ。

 

次に、一通りのデータが得られた段階で、被験者はそのデータが入った自らのmiParuを持って、歯科医師や薬剤師のところへ行く。そこで、彼らによって生活習慣病などとの関連を通して、病気予防に向けた注意や、現状に対するアドバイスを受ける。被験者の様々な健康データが一括で管理されていることから、歯科医師や薬剤師たちは、患者の状態を多角的に把握できるという仕組みだ。

 

データの形態:なぜメモリーカードなのか?

今回の実験で特筆すべき点の一つは、そのデータの形態である。今回のプロジェクトにおいて、ミルウスは敢えてデータの保存先をメモリーカードにしたという。その理由について、株式会社ミルウスの代表取締役(CEO)である南氏に語ってもらった。

 

hakase いま、データの保存先として、クラウドへ保存するという流れが主流になりつつありますよね。なぜ、今回、ミルウスは患者のデータをメモリーカード(miParu)へ保存するという選択をしたのですか?メモリーカードなど経由せずに、直接クラウドへデータを保存した方がよくないですか?

南 たしかに、その通りです。ただ、今回敢えて、メモリーカードをデータの保存先としたのには理由が大きく2つの理由があります。まず一つは、データをクラウドで管理することの危険性。つまり、クラウドで患者の健康データを一括管理しようとすると、将来的にクラウドには多数の患者のデータが存在することになる。でもそれは、常に大多数のデータが流出などの危険性に晒されているとも捉えられるわけです。(すごいネガティブに捉えるとだけど。)患者自身に自分のデータが入ったメモリーカードを管理してもらうことで、そのリスクを最小限にとどめるというのが理由の一つ。

hakase なるほど。たしかに、今回扱うデータは、単なるデータではなくて、患者の個人情報であるという点が、肝ですよね。クラウドへデータを集め、第三者にデータを管理させるのではなく、患者自身に自分の健康データを自己管理させるというわけですね。

南 そうそう。もう一つの理由として、そうやって患者自身に自らの健康データを管理してもらうことで、自分の健康により積極的に関心を持ってもらうという狙いがあります。

hakase なるほど。ある意味、データのクラウド化が進む中、逆転の発想ともいえますよね。また、データを実際にmiParuという形で管理することで、データを実際に実体のあるものとして管理できるというのも重要な点ですよね。

南 その通りです。今回のシステムはいわばプロトタイプであって、これから製品化にむけてさらに開発を進めていくつもりです。今回、実証実験をやってみて、課題も多く見つかりました。今年中には製品化まで行きたいですね。また、将来的にはmiParuで管理されたデータをAIに解析させたり、実際に病院などの現場にmiParuのシステムを導入させたいと考えています。

hakase はい。本日はありがとうございました。

 

 

今回の実証実験への参加を通して、医療とITの結びつきの重要性に非常に関心をそそられました。

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