
【生活習慣】外食はホルモンの乱れにつながる?!
今日では、多くの人にとってレストランやファーストフード店で外食をするということは当たり前のこととなっています。しかし、最近の研究によると頻繁な外食は私たちの体内におけるホルモンの乱れに繋がる可能性があると言います。
頻繁な外食はしばしば、肥満や糖尿病といった生活習慣病や心臓病(心筋梗塞など)の原因となると考えられてきました。しかし、最近の研究によると頻繁な外食には別な危険性があると言います。それが、私たちの体内におけるホルモンの乱れです。ホルモンとは、体内の各所に存在する内分泌腺から分泌され、血液によって全身の臓器や組織に運ばれ、様々な生理的作用を引き起こす化学伝達物質のことです。

ホルモンは、私たち人間や動物にとって、「生殖」や「成長」、外部環境が変化しても内部環境を一定に保つ「恒常性」(ホメオスタシスという)に関して重要な役割を担っています。
では、外食をすることがなぜホルモンの乱れに繋がるのでしょうか?それは、外食をすることで体内に”フタル酸エステル類”を取り込んでしまうからです。
フタル酸エステル類とは
フタル酸エステル類とは、一般に、プラスチックを柔らかくするための可塑剤として広く使われており、プラスチック製品やビニール製品に多く含まれている化合物のことです。よって、プラスチック製品があふれている現代では、フタル酸エステル類はありとあらゆるものに含まれています。それは、「食」に関する場においても例外ではありません。たとえば、食品の包装材や、コンビニ弁当の容器、そして、レストランなどにおける調理の過程で使われる道具や装置の多くにはプラスチック製品が使われています。フタル酸エステル類の代表的ものとしてフタル酸ビス(DEHP)が挙げられます。経済産業省によれば、全可塑剤のうち45%がこのフタル酸ビス(DEHP)だそうです。構造式は下図の通り。

フタル酸エステル類は、内分泌攪乱物質の一つであると考えられています。内分泌攪乱物質とは、生体内のホルモンの作用に影響を与え、内分泌系の機能を攪乱させる作用をもつ物質のことです。とくに、これらの物質の多量な摂取は、生体の「生殖機能」に多大なダメージを与えることが分かっています。1996年に、アメリカのシーア・コルボーン博士らの出版した「Our Stolen Future」によって、内分泌攪乱物質というものが一気に注目されるようになりました。日本でも「奪われし未来」として翻訳版が出版され、NHKでも特集が組まれるなど、広く人々に知られるようになりました。
外食とフタル酸エステル類
外食をした場合と、家で料理をして食事をした場合におけるフタル酸エステル類の摂取量の比較に関する調査が、ジョージ・ワシントン大学のアミ・ゾータ博士らによって行われました。彼女らの調査によると、ファーストフード店やレストランなどで頻繁に外食をする人とそうでない人とで、フタル酸エステル類の摂取量レベルを比較したところ、頻繁に外食する方はそうでない方に比べて、フタル酸エステル類の摂取量レベルが平均的におよそ40%近く高いことが分かりました。どの年代においても、同様の結果が得られましたが、とくに若い世代では、この差が約55%にまで開くことが分かりました。また、若者をはじめとして、妊婦や子供もフタル酸エステル類による影響を受けやすいと考えられています。
食生活を急に変えるのは難しいかもしれませんが、頻繁な外食やファーストフードはなるべく避けて、できるだけ家で料理して食事をすることが望ましいのではないでしょうか。今回の事実は、自らの食生活を見直す良い機会かもしれません。
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