
【オーラが凄い!】鎌倉の天才クリエイター「ルールをすべて取っ払う」【世界を一つに】
高校の同窓会 二次会にて。ただならぬオーラを醸し出す方がいまして、つい気になって声を掛けてしまいました。「普段は、鎌倉にいるよ。」とのことだったので、鎌倉へ。
同窓会にて
オーラが凄い。その一言につきます。とにかく、話しかけてみることに。
(前略)
近澤「あの、普段は何をされている方なのですか?」
???「何してると思いますか?」
近澤「プロデューサーですか。(なんとなく)」
???「お。」
近澤「え!本当にそうなんですか!?」
???「まあ、そんなようなもんだねー。」
近澤「(なんなんだこの人!!よくわからないけど、とにかく、かっけえ!!)」
(後略)
それで、普段は 鎌倉 にお住まいとのことだったので、鎌倉へ行ってまいりました。
鎌倉のオフィスにて
今回、取材させていただいたのは、この方!
成瀬 拓也 -Naruse Takuya-
株式会社 ウィルフォワード 代表取締役
出身地:北海道札幌市
出身高校:札幌南高校
出身大学:筑波大学体育専門学群
2011年、株式会社 ウィルフォワードを設立し、コンサルティング事業・Webマーケティング事業・メディアプロデュース事業・映像制作事業などを行っている。
ルールをなくして…
――本日は、お忙しい中、本当にありがとうございます。先日、成瀬さんに初めてお会いして、なんとなく「すごい人」ということは分かったのですが、実のところ どんなことをやっている人なんだろうと思い、今日来ました。
ありがとうございます。
――ウィルフォワードのサイトを拝見させていただいたのですが、「世界を一つにする」みたいな…。
ふふ(笑)
「世界を一つにする」みたいな…。そうそう。(笑)
気になりますよね。正常な反応ですねー。
まあ、そういう意味で、うちのオフィスを見てもらうと、「もはや これ会社なのか!?」みたいな…。むしろ、「土曜日の友達んち」くらいな感じがね…。しますよね。
実は、最近ね、ぼくは世紀の発明をしたんですよ。
――と言いますと?
まず、そもそも「その人が何をやっている人なのか?」ということを その人の”会社で”知ろうとする ということに もはや 限界が来ているんだと思います。
たとえば、近澤 徹 という人間が○○大学の大学病院に勤めていて、そこで心臓外科医をしていたとしたら、まあ、近澤 徹 という人物は「○○大学の心臓外科医」という説明になるわけじゃないですか。だから、これまで「その人が何をやっている人なのか?」というものを伝えるものが、その人の”会社”(=所属)と”仕事”だった。
でも、今って、そういうものだけでは語り切れないような人が増えてきていて…。
たとえば、ホリエモンって何やってる人?って言ったときに 結構 説明が大変で。投資家で、北海道のロケット会社のベンチャーに投資してて、オンラインサロンやってて、コメンテーターでもあり、VC(ベンチャー・キャピタル)のエンジェルでもあって…。みたいな。もう、これ 一言で 説明できないじゃないですか。
このことは、会社という単位でも同じことが言えて。ある特定の事業や特徴だけでは説明しきれないようなスタイルの会社が増えているんですよ。
――なるほど。
ウィルフォワードはその最たるもの。それに加えて、ここでは働き方がかなり特殊。

どういうことか というと、まず、『クリエイティビティ』が大事なんだ …と。AIという言葉にも代表されるように、今後、仮に 機械が人間の英知を超えていくとしても、人間だからこそ生み出すことができる『創造性』は、”人間が” 発揮すべきだと思う。…という風に考えたときに、やはり『クリエイティビティ』こそが 事業として生き残るうえでも重要なポイントになってくるわけで。
そこで、『創造性』を最大化させていく ということを考えたときに、「すでに何か決まっているという状態こそが、クリエイティビティを失うんじゃないか。」と考えた。じゃあ もう、一旦 全部取っ払ってみよう!ということで、ルールをすべて無くしてみた。「ルールを全部無くしたらどうなんだろう…。」って。基本的に、中途半端に ちょっとルールを減らしてみよう とかじゃなくて ほんとにすべてルールがなくなったときに、逆に「なに困るんだろう」っていうのを考える。まず、困って…。そこから、じゃあ 最低限 必要なもの って何だろうって考え始める。そうすると、少なくとも その時点で最適なものを考えられる。
――それこそが、ウィルフォワードのそもそもの始まりなのでしょうか?
そうそう。
ただ、さすがに国レベルで ルールを全て無くすっていうのは、まあ 現実的じゃない。だけど、ベンチャーの会社ぐらい ルールを無くしたって社会的な問題にはならない。だったら やってみよう!ということで、実際に始めたのがウィルフォワード。社員の人数が少ないうちは お互い顔も見えるし、それでも上手くやっていける。しかし、やはり 会社の規模が大きくなると同時に その人数も増えてくると、色々と不都合が生じてくるよね…。じゃあ、そのときに本当に最適なものを考えよう。…ということで、いったん全部ゼロにした。
出社義務も無し。
給料も自分で決める。
どこで なにをやるかも自分で決める。
――え~!
人が倒れてたら助けるでしょ?
――助けます。
それって、べつに誰かに命令されたわけでもないし、法律で義務化されているわけでもない。
でも、助けるでしょ。
それが人間だよね…っていう。

モラルのある人間をしっかりと育てていくことによって、ちゃんと 社会って成り立つはず。変にルールで縛ろうとするから、サボろうとしたり、ルールの抜け穴を探そうとする奴が出てくる。
でも、そもそも ルールがなかったら、自分でルールを作っていかなきゃいけない。進むしかない。そうすると、意外と 人ってサボったりしないんですよ。むしろ逆で、どんどん積極的に進んでいく。
家族は なぜ支え合うの? …って それ、ルールとかじゃないじゃん。でも、自然と家族って助け合うわけで…。
教育×エンタメ
――そもそも、成瀬さんが ウィルフォワードを筆頭とする、このような取り組みを始めようと思ったきっかけは何なのでしょうか?
子どもの頃から、純粋に「同じ地球という星のもとに生まれたのだから、みんな仲よくすればいいのに」というような思いを、子どもながらに抱いていて。大人になっても、そういう思いが ずっと根本にあった。
自分が社会に出るようになってからは、もっと具体的に、「どうしたら 社会をより良くしていけるか?」ということを考えるようになった。まあ、この問いに対しては いろんなことを言う人がいて。「法律だ」とか「技術だ」とかさ。
でも、ぼくは いつも そういった議題を考えたときに、最終的に行き着くのは、「教育」だと思ってた。「法律」も「技術」も、それらを 作るのも 使うのも人間である以上、人がどのような思いで生きているのか が根本。そしたら、ベースとなるのは やっぱり「教育」だろうと。
「教育」というテーマで 社会問題へのアプローチを考えたときに、いろいろなアプローチがあるけれど、自分は、教育×エンタメ で行こうと思った。
――なぜ、エンタメなのでしょうか?
”弱いものを守る” とか ”仲間を裏切らない” とか ”最後まであきらめない” とか…。そういった人間性や 自分自身の価値観って 一体 何によって培われたのか。少なくとも 自分は、決して 学校の授業や 教科書から学んだわけでは ないんですよ。

一番はアニメ・漫画だった。週刊少年ジャンプの「友情、努力、勝利」みたいなさ。(笑)
今、思い返してみると ぼくが受けてきた教育って、こういった エンタメ から受けてきた部分がすごく大きくて。
だから、アニメや漫画に限らず、みんなが普段から 何気なく触れているような エンタメ から、本人も それと気づかぬうちに そういった価値観や倫理観が 芽生えていったらいいなあ、と思っていた。もっと言えば、自分がそういったエンタメ をプロデュースしたいなと。
――成瀬さんにとって教育とは?
「人の人生の質を好転的に変えるもの」ですね。
そして、今となっては このウィルフォワード自体が ある種 一つの教育機関、そして エンタメの場 になりつつあるね。ぼくらは「ほっこりエンタメ」なんて 呼んだりしてるんだけど。(笑)
ウィルフォワードの2つのよりどころ
――現在の このような ウィルフォワードの在り方は、初めから 成瀬さんの頭の中に すべて構想としてあったのでしょうか?
いや、すべては無かった。だけど、こうした取り組みを始めるにあたって、自分の中で 2つの ”よりどころ” があった。一つは、昔から、自分で 大きいイベントをやったり、人を集めたりする中で、お金や上下関係 といったもの以外の部分で 人を惹きつけたり 巻き込んで、人を動かしたりする感覚が 自分の中にずっとあった ということ。
とは言うものの、ウィルフォワードという”会社として”は、社員に給料を払ったり…といった、経済活動はしなくてはいけない。お金の利益が出なくてもいい 大学のサークル的なノリでは困るわけで…。
そういったとき、海外には すでに成功事例があった。これがもう一つ。
たとえば、出社を義務としないような ブラジルの SEMCO(セムコ)社だったり。アメリカで靴の通信販売サイトを運営している Zappos(ザッポス)社では、企業文化 を就業規則に。まさに、カルチャー で組織を統治している。
ちなみに、100年続く会社っていうと、まあ、これ 海外の会社が多いんだけど、実は、400年続く会社 となったとき、圧倒的に多い国があるんですけど、どこか わかります?
――え!? うーん…。もしかして、日本ですか?
そうなんですよ。
ちょうど、江戸初期くらいから400年という感じで。
これらの会社って、そのほとんどが 決して 拡大を第一として目指してきたわけでなく、むしろ 自分たちの 家業 をずっと続けていく… みたいなものが多い。伝統工芸 とかはまさにそう。
そう考えると、日本って そもそも 就業規則とかなしに数百年やってきた国。 日本人って、血のつながらない人間とも 一緒に同じ屋根の下に住んで、一緒にご飯を食べて、そして 助け合って生きてきた…。同じ家に住む人間は家族 っていう。そういう国だから。
「日本がこれまで 実際 やってこれたことなのだから、自分たちにも できるだろう。」
そういった よりどころはあった。

――今日 一日 実際に ウィルフォワードで過ごしてみて、色々なことを感じました。他の会社ではあり得ないような空間の在り方というか…。
まさに、そうやって感じてくれているものこそが、ウィルフォワードそのもの。逆に言うと、ぼくが どんなにウィルフォワードについて 熱く語っても 伝えきれないというか。実際に この場に来てみてこそ分かる 感覚。ぼくと、他のメンバーとの距離感や関係性、クライアント先の人とのやりとりとか…。
――はい。本日は 本当にありがとうございました。
いえいえ。こちらこそ。来てくれてありがとう!
—編集後記—
今回は、午前から 丸一日 ウィルフォワードのオフィスにお邪魔させていただきました。
また、この日は ウィルフォワードのクライアントである WELLNEST HOME(ウェルネストホーム) の早田さん がちょうど オフィスに来られていました。早田さんの 職人=プロとしての ”家づくり” や ”まちづくり” に関するお話を聞くことができました。
成瀬さんや早田さん、そして ウィルフォワードのメンバーのみなさんと 炊き込みご飯を一緒に作って食べたり、サツマイモを焼いて食べたり、テラスでBBQをしたり…。とても、楽しかったです!そして、なにより とても貴重な体験をすることができました。
成瀬さん、そして ウィルフォワードのみなさん。本当にありがとうございました!